【ヒカ碁】R5.8月の新刊「いまし見ゆ黎明」について その1

こんにちは。備忘録代わりに自分の新刊についてちょいちょい述べるコーナーです。
この前の8月の新刊「いまし見ゆ黎明」について。あらすじと通販先は該当ページをご参照ください。

装丁について

今回の本めちゃくちゃ文庫!!なんですけど、原作で語られていない部分を自分なりに補完したらどうなるかなあ……って内容の本だったので、やっぱりそれなりに商業誌っぽく寄せたかったんですよね。
裏表紙の「ISDN」、同人誌の番号を発行してくれるサイトでもらったバーコードなのでちゃんと読み込めます。

カバー下の表紙の紙と印刷も本当はもう少し商業文庫に寄せたかったんですが印刷所の関係で断念。特色オレンジ一色とかで刷ったら良かったのかも。まあでもピコサークルなので……。これはこれで味があると思います。
カバーはね、あの、これしかねーわ……っていうAI生成素材があったので有り難くお借りしました。良い時代だなあ。黎明を標榜するサークルなので、この本はかなり今後の指針になったと思います。

タイトルについて

タイトル、最後の最後までずっと悩んでたんですが、「いまし見ゆ黎明」ですごくしっくり来てます。「黎明に燃ゆ」とか「暁」とか色々候補があったんですがいまいちでめっちゃ難産でした。
結局、「黎明」って言葉に

・伊角さんがプロ試験に受かること
・和谷が伊角さんの帰還を迎えること
・二人で同じプロの道を歩めること
・和谷が伊角さんへの恋を認めること
・伊角さんが和谷への感情に思い至ること

辺りが全部含まれているので(これがどのくらい伝わるかはともかく……)ここに入っていない意味を何とか加えてタイトルにしようと唸っていました。
一番最後のページにも載せたんですが、「いまし」って「今し」であり「汝」なんですよね。ダブルミーニング大好きオタク。
無粋なれど換言すれば、

今まさに/あなたに(あなたと)、見る(思う)、棋士として/恋として の夜明け

なんです、この本自体が。自己言及のダサさには目をつぶってください。
夜が明けているってことは、これから輝く光の時間がやってくるわけで。
つまり和谷と伊角さんの恋の成就ってことですね。ヤッター!

章タイトルについて

黒の一、白の一、ってつけましたが。執筆時は「1章」「1.5章」ってくくりで、整数が伊角さん、小数点が和谷のナンバリングにしてました。
実際に組版をしていって正式に章タイトルをつけるにあたり、「そも、和谷も一緒にいてこその内容なのに小数点は変だな」と思い至り、しかし整数ナンバリングを続けると視点が分からなくなるな、となった結果このように分ける事になりました。
黒、白、黒、白、黒、白、黒 といったあとに「二連星」になるのが個人的に気に入っています。二連星って布石の名前なんですけど、天体用語では「遠くから見ると一つの星だけど、実は重なり万有引力で周り合う二つの星」なんですよね。スピカとかが有名でしょうか。
この時点でエモすぎるな……。畢竟、「一人では碁は打てない」に繋がっちゃうんですけど。

ちなみに、実際の執筆時は章内の小分類の名前も位置も異なっていて、この本のイメソンである「夜明けと蛍/ヨルシカ」から取っていました。

あ、あとがきの上部に二連星って入ってるのは単にミスです!! この本ミス多すぎで爆発しそう。

内容についてはまた今度少しずつ書けるといいなー。あまりに色々詰め込みすぎたので。
ではまた。